家づくりのこと

構造設計のイロハ【身の回りのもので学ぶ〜圧縮と引張〜】

こんにちは、醤油です。

突然ですが、構造設計ってなんだか難しそうで、どんなことをしているかイメージしづらいですよね。

なので、今回は構造設計に使う、概念や用語を身の回りのものに置き換えて、

できるだけイメージしやすいよう伝えていければと思います。

第1回目は「圧縮力」と「引張力」についてです。

この二つの概念は構造設計をする上で、重要な要素となります。

いかに「圧縮力」と「引張力」に耐えることができるかが、構造の良し悪しを決定します。

文字通り「圧縮力」は物体が潰される方向に力がかかることで、

「引張力」は物体が伸びる方向に力がかかることです。

建築に使う材料には、「強度」が定義されていて、

部材にかかっている力がその強度に達すると断面が徐々に潰れたり、伸びたままになっていきます。

 

一般には「引張力」は安定した力のかかり方ですが、「圧縮力」は座屈という現象を生じさせる力のかかり方です。

座屈?なにやら難しそうな用語が出てきましたね。

構造設計は数値や図形で、説明されているが故に難しく思われがちですが、

実際の身の回りの現象に置き換えると意外にもスッキリと理解できる時があります。

 

例えば、文房具の物差しを想像してもらって、引張力と圧縮力をかけてみましょう。

ここで、あなたが怪力の持ち主になりきって

定規の端と端を持って、引っ張り続けると、きっと定規はある時点から伸びたまま戻らなくなってしまいます。

その伸びた時点が定規の材料が持つ強度に達したことを意味します。いつ強度に達したかがわかりやすいですよね。

しかし、同じように、定規の端と端を持って潰すとそうはいきません。

本来であれば伸びた時と同じ力で潰れて欲しいのですが、その前に、簡単にぐにゃりと曲がってしまいますよね。

これが座屈という現象です。

座屈がやっかいなのは、材料がもつ強度を発揮する前に、曲がってしまって部材としては、そこで性能を失ってしまうことです。

なので、いくら強度が高い材料を使ったり、大きな断面にしたとしても、簡単に座屈が生じてしまう形状だと

本来のポテンシャルを活せず、不経済な構造部材となってしまいます。

 

部材を設計する時は、引張力と圧縮力がかかったらどのような状態になるかを常にイメージすることがとても重要になります!

良き、建築ライフを!

 

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