家づくりのこと

構造設計のイロハ【地盤沈下はイヤだ】

こんにちは、醤油です。

今回は地盤沈下についで解説していこうと思います。

地盤の沈下は、液状化と並び、建物に深刻な損傷を与える現象です。

大きな沈下が発生すると建物の床が傾いたり、壁紙が破れたりしてしまいます。

最悪の場合は構造部材が損傷してしまう可能性もあります。

業者任せにするのではなく、建設地の地盤がどのような状況で、どのような基礎形式にするかを

しっかりと把握しておきたいところですね。

沈下を生じさせる原因は色々と考えられますが、

例えば、建物周辺の土を掘削したり、建物がある地盤を受け止めている擁壁が傾いたりすることでも

生じてします可能性があります。

しかし、最も直接的な原因はやはり地盤が軟弱な場合に起こりやすくなります。

では軟弱な地盤とはどのような場合かというと

造成して締め固まっていない盛り土、海や河を人工的に埋め立てた土地などがあります。

例えば、埋立地の沈下で著名な事例としては関西国際空港があります。

もともと海だった箇所を埋め立てた土地なので、埋め立てた分の土の重量が海底の地盤にかかり

海底の地盤が沈下することにより、埋め立てた地表面も同じように沈下します。

なんと、供用開始から1期島では3.68m、2期島では5.14mも沈下をしているそうです!

ここまでの沈下はなかなか起きないかもしれませんが、沈下が起きる可能性があるかどうかを把握することは肝要です。

軟弱な地盤かどうかは地表面を見ただけではわかりませんので地盤調査を行うことで確認することができます。

地盤調査には下記のような種類があり、どれも精度やコストの面で一長一短があります。

・表面探査

・平板載荷試験

・スクリューウェイト貫入試験(旧名:スウェーデン式サウンディング試験)

・標準貫入試験

この4種類の中で最も精度が高く、あらゆる建物にも対応している調査は標準貫入試験ですが、やはりコストも高くなります。

本来であれば、コストが安い方が嬉しいですが、軟弱な地盤が疑われる場合は、標準貫入試験までは難しくとも

最低でもスクリューウェイト貫入試験まではしておきたいところです。

スクリューウェイト試験では土の特性や沈下量までは確認することはできませんが

どのような軟弱な地盤があるかどうかは確認することができます。

軟弱な地盤があるかどうかの判断は実際に調査してみないとわかりませんが、

その土地の昔からの伝承・資料や地盤調査会社の判断も参考になります。

その他に「国土地盤情報検索サイトKuniJiban」にて標準貫入試験の調査データが公開されていますので

建設場所の近くに調査データがあれば、地層の想定に参考にできるかもしれません。

良き、建築ライフを!

 

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